「月刊わんぱっくコミック」(徳間書店)において、1987年8月号から昭和1989年1月号まで連載され、1988年4月20日(初版)に第1巻が発刊された田森先生の冒険活劇「無茶の猫丸」が、電子書籍として復刻し、さらには、これまで単行本化されておらず読むことが出来なかった第1巻以降のお話も第2巻、第3巻に初単行本化されました。第1巻がこれから!というところで終わり、ずーっとその先が気になっていただけに電子書籍化は本当に嬉しいことです。
既刊の第1巻と今回の電子書籍版との違いは、収録内容に全く変わりはないものの、「わんぱっくコミック・リバイバル」として表紙が変わっているほか、既刊では各話の扉絵がトリミングされて一部しか載っていなかったのに対し、電子書籍版では連載当時のままの扉絵であることに加え、煽り文もそのまま残されており、マニア心がくすぐられます(笑)。その一方で、既刊の最終ページにあった「猫丸通信」(作者自己紹介)がカットされています。発刊から30年以上が過ぎているため、当時の自己紹介をそのまま載せるのはそぐわないということなのかもしれませんが、代表作の中にちゃんと「ポポロクロイス物語」と書かれており、当時を振り返ることができるものとして入れて欲しかったところです。ちなみにポポロの連載は1984年10月に始まっているので、無茶の猫丸の約3年前のことになります。
主人公である猫丸が親の仇を討つべく旅を続ける中で仲間に出会い、お姫様を救い出し、ラスボスの居城を目指す、という展開はまさにRPGそのものでワクワクさせられますし、真っ直ぐな猫丸の姿がホントに清々しくて心地よいので一読されることをオススメします。第1巻の終わりの方にはガミガミ魔王を髣髴とさせるような人物も登場しますので、ポポロな観点でこの作品を堪能してみるのもまた一興かもしれませんね。
わんぱっくコミック・リバイバルで8月から配信が開始された田森先生の「無茶の猫丸」第2巻が9月16日に販売が始まりました。これまで単行本として販売されていたのは第1巻のみでしたから、30年以上前の当時の連載を読んでいた人には懐かしく、読んでいなかった人には未体験ゾーンです。
いよいよ始まる魔天城での武芸大会の展開は非常に熱く、敵・味方の双方に思わせぶりなキャラが出てくる上に、「ここで続刊に引く?!」という単行本の宿命とも言うべき終わり方となりますので、早くも3巻の配信が待ち遠しくてたまらない状態になること必至です。1巻と合わせてご一読されることを強くオススメしておきます。
で、唐突に出てくるこの写真はなんですのん?と思われるかもしれませんが、2巻を読めば分かります。なぜかこのタイミングで冷蔵庫の中に入っていたので載せてみました(笑)。
わんぱっくコミック・リバイバルで配信されている田森先生の「無茶の猫丸」第3巻がリリースされています。実際に連載されていた分までを収録したものですが、物語としては謎をいくつも残したまま、これからがいいところなのに!というところで「第1部・完」みたいな感じに終わってしまっているのが勿体ないことこの上なしです。漫画として続きを読むのはハードルが高そうな状況ではありますが、小説といった別の形態でもいいのでこの続きを知りたいなぁと思わずにはいられません。