138 ヤズムの驚愕

2003年8月10日

まだまだ余裕をかましているヤズム
自分が倒されるはずがないと信じて疑わないヤズム

 「まさか、そんな人間が・・・」「いるんだよ!」、今までピノン達に対して微塵すらの脅威を感じていなかったヤズムが、パプーから真相を聞かされた時、「そんなことあるはずがない、あってたまるか!」と言わんばかりの声にならない雄叫びを上げて襲い掛かってきました。ヤズムをここまで驚愕させることとなった「そんな人間」には一体どのような意味合いがあるのかを考えてみましょう。

しかし、パプーが封印されたはずの月の精霊であることを知り、
条件的にまず解けないであろう封印が解除されて絶対的優位が崩壊したことが信じられないヤズム
「いるんだよ」by パプー

ヤズムが言うところのの「そんな人間」とは、「月との契約を結び、月の精霊の封印を解くことができる人間」を意味しています。それではこのようなことができるにはどのような条件が必要になるのでしょう? まずパプーは月の精霊ですから、精霊と話ができるためには妖精族の血を引いていなければいけません。更にパプーはドラゴンの一種(※)とのことなので、封印されたことについて竜族と何らかの関わりがあるものと考えられますから、竜族の血も引いている必要があるのでしょう。そしてヤズムがわざわざ「人間」と言っていることからも、月との契約を結ぶことができるのは人間族でなくてはならないことになります。つまりは「そんな人間」とは「妖精族と竜族の血を引く人間」といういことになりますが、最初のバルバラン大戦により決定的に人間族と他の種族と断絶することとなってしまったわけですから、ヤズムにしてみれば当然そんな可能性は考えもなどこれっぽっちも考えなかったに違いありません(月の精霊は最初のバルバラン大戦が起こる前の、まだ各種族同士交流があった時代に妖精族・竜族・人間族により封印された可能性が高そうです)。

しかし、ポポロクロイス王国にはパウロがいました。パウロがサニアを助け、サニアが父親である老竜神に勘当されながらもパウロと共に生きる道を選ぶことによってピエトロが生まれました。ピエトロが、ガミガミ魔王から知恵の王冠を奪還する冒険の中でナルシアと出会い、再びのバルバラン大戦を経て2人は結ばれ、ピノンが誕生しました。全ての運命的とも言うべき出来事がつながり、起こりえないような奇跡を起こすこととなりました。 ヤズムが、ひいてはその背後に存在するカオスが思いもよらずにいた、光の意思が紡ぎ出したこの奇跡、生命の営みこそが闇に対して持ちうる大きな力です。これからのポポロクロイスの世界において相当重要な意味を持っていることでしょう。この奇跡が導き出す新しい世界、いつまでも温かく見続けていくことができれば嬉しいですね。

※ファミ通「ポポロクロイス~はじまりの冒険」公式ガイドブックより