203 モア・黄金の鍵のルール

2005年11月5日

前項に書いた黄金の鍵のルールについてもう掘り下げてみることにしましょう。前項での内容を図に表すと、上のようなイメージになります。黄金の鍵のルールは森の世界全部に及び、海の世界も全く制限を受けないわけではなく、場合によっては受けうる場合もある、ということでその一部が制限のエリアに含まれています(黄金の鍵の使用を知られてはいけないというルールはエリア外ということで)。なお、森の妖精族についてはその個々について制限が及んでいるという解釈になります。
黄金の鍵のルールについては「人に属するもの」「場所に属するもの」の2つが存在すると考えます。「人」というのは使う者が森の妖精族であるか、海の妖精族であるか、「場所」というのは森の世界であるか海の世界であるかを意味するわけですが、これを組み合わせると、黄金の鍵の使用ついては次の4つのケースが考えられます。

①森の妖精族が森の世界で黄金の鍵を使う場合
②森の妖精族が海の世界で黄金の鍵を使う場合
③海の妖精族が森の世界で黄金の鍵を使う場合
④海の妖精族が海の世界で黄金の鍵を使う場合

 前項で書いたように、「黄金の鍵のルールは森の妖精族に対して起こりうる」ものとすれば、使う場所は関係ありませんから①と②の場合については黄金の鍵の制限を受けることになると言えましょう。同様に考えると④については基本的に黄金の鍵の制限は受けないことになります。ここで問題となるのは③のケース。黄金の鍵の制限を受けない(と考察しているに過ぎませんが)海の妖精族が、森の世界で黄金の鍵を使った場合に、その制限は発生しうるのでしょうか?
これもあくまで推論に過ぎませんが、②のように人的に制限があり場所的に制限がない場合でも黄金の鍵の制限を受けるのと同様、人的に制限がなく場所的に制限がある場合にもやはり黄金の鍵の制限を受けることになるのではないかと思います。上の図でいうところの黄色のエリアにおいては誰しもが制限を受けることになるという考え方です。ルナについて考えてみましょう。ルナは人間の女の子にしか変身しなかったわけですが、海の生物に変身するような場合は④に該当し、この場合については例え黄金の鍵を使っていることがばれても影響はないものと考えます(もっともルナの場合魚に変身する必要性がないのでまず起こりえないケースですが)。ではルナが地上において人間の女の子の姿から動物に変身した場合はどうか?これは③のケースに該当しますから、その影響が及ぶものと考えられます。ですからルナが地上で変身したような場合には、その正体がばれないように気をつけないとその力を失いかねない危険がでてくることになります。もう1つ、地上すなわち森の世界で黄金の鍵による変身を解いた場合も同様に考えられますが、この時には黄金の鍵の制限以前に月の掟がかかってしまいますから、こうした状況が発生することはまずないでしょう(黄金の鍵ではありませんが、海岸で月の雫を砕いたセレーネがまさにこれと同様の状況です)。
ルナが自分の正体をみんなに明かしたのは水の聖域、そもそもファントネシアは森の世界にも海の世界にも当てはまらない、若しくは当てはまるにしても水の聖域は海の世界寄りに位置するものと考えれば、ここで正体がばれてしまったところで、黄金の鍵の制限を受けなかったというのは妥当であると言えます。
ナルシアはソームの命の花を食べたことによって黄金の鍵の制限を脱したわけですから、その後自由自在に変身できるようになりましたが、あくまでルナは黄金の鍵を使っているのが知られてしまっただけで状況は変わっていないので、今後とも③のケースのように黄金の鍵の制限を受ける場合も出てくるのではないかなぁと思います。