148 極星の剣

2003年12月6日

 原作の中で、白騎士が手にしているのはキングナイトの霊が宿る「竜尾の剣」。この剣はもともと、大神ユリウスが魔物と戦うためにロキオンに命じ、星々のかけらを集めて作られたもので、「極星の剣」と呼ばれています。元々神々が使う剣であるが故に、その力は強大で、氷の魔王ですら存在を恐れるほどのものです。この剣を使って白騎士は魔物をバッタバッタとなぎ倒しての大活躍をするわけですが、話の中にはもう1つ、鬼面童子が使っている「竜頭(りゅうとう)の剣」が登場します。この剣は、極星の剣と同様に魔物の魔力をはね返すのみならず、白騎士と鬼面童子との一騎打ちをみても明らかなように、極星の剣と同等に渡り合えるだけの力を備えています(もちろん鬼面童子の技もあるわけですが)。この竜頭の剣とはいかなるものなのでしょう?
実のところ、極星の剣を2つに分けたものを、それぞれ「竜尾の剣」と「竜頭の剣」と呼ばれるようになった、とのことです。極星の剣の力はあまりにも強すぎるがために、同じ力を持つ2つの剣に分ける必要があった、と。強大な力を1つのままにしておくと、いざその力が悪しき意思を持つ者に使われるようになってしまった時には、それに対抗できる力がなくなってしまいますから、1つの大きな力を同等の2つに分け、そのうち一方の剣が悪用されるようなことになったとしても、残ったもう一方の剣を用いて戦えるようにする必要があったからではないかと考えます。極星の剣は長い間行方知れずになっていたと言いますから、その時に2つに分かれたのかもしれません。だから「竜尾の剣」が極星の剣であるのと同様に、鬼面童子の持つ「竜頭の剣」もやはりまた極星の剣なのでしょう。
もし、元の1本であった頃の「極星の剣」と同等の力を持つ悪しき剣(例えば「極闇の剣」とか)が闇の意思によって作られたとしたら、この力に打ち勝つためには竜尾竜頭の剣の両方の力が必要となってきます。原作では何かと対決している白騎士と鬼面童子ではありますが、いざそのような危機が訪れた時にはこの2人がどのような戦いを見せるのか非常に気になるところです。「竜の夢の冒険」以降の物語が田森先生によって執筆されることを願ってやみません。