182 ドンさんゴンさん

2004年12月12日

 ピエトロが冒険に出かける時には必ず「期間限定」でお供をしていたゴンとドン。なぜに「期間限定」であるのかは言うに及ばず、ポポローグで判明したゴンとドンの年齢は17歳で、実にピエトロの5歳年上となるわけですが、裏を返せば恐怖に駆られて5歳も年下の子供をほったらかしにして逃げてしまったことになります。そうした経験を重ねがらも、いやもしかすると重ねたからこそ、15年後にはマッター将軍の後を継いで2人とも立派な将軍になることができたわけですから、時の流れは非常に面白いものです。さて、そんなゴンとドンの名前の呼ばれ方について、ポポまりの中で「ん?」と思ったことがあったので、今回はそのことについて。

ピエトロがまだ王子であった頃、ナルシアはドンとゴンのことをそれぞれ「ドンさん、ゴンさん」とさん付けで呼んでいたわけですが、王妃となって10年後のポポまりの中では、「ゴンやドンと外で遊ぶのも~」というピノンとの会話から明らかなとおり、呼び捨てになっています。これは一体どうしたことでしょう?あのナルシアのことですから、王妃になってから急にそのような呼び方をするようになったとは到底思えません。これにはきっとやむにやまれぬ何らかの事情が存在するはずです。実はこの点にナルシアが王妃となるに当たって何かと大変なこともあったのではないかなぁと思える要素があるんですよね。

これまでギルダと共にフローネルの森で2人で暮らしていたところに、王妃としてポポロクロイス城に迎えられることになったわけですから、その環境や生活の変化は相当のものであったということは想像に難くありません。時には王妃として振舞わなくてはならない場面もいくつかあったはず。そんなナルシアがお城の人を呼ぶ時にはこれまで通りのようにさん付けで呼ぼうとしたことでしょう。ドンやゴンについてもまた然り。でもその度にきっとこんな会話があったんじゃないかと思います。

「あの、ドンさん、ゴンさん?」
「王妃!既に王妃になられたのですから、我々のことは名前だけで呼んで下されば結構ですから。」
「でも・・・」
「そのお気持ちは嬉しいですが、我々は王と王妃に使える身、畏れ多いことですから、どうかお願いします!」

とはいうものの、すぐに切り替えられるものではなく、何度も何度もさん付けで呼んでしまっては先に書いたような会話が繰り広げられ、それが時の流れとともに次第次第に定着していったものと推察します。何も好きでドンやゴンのことを呼び捨てにするようになったのではなく、王妃としての立場でそうして欲しいと請願を受けたがためなのだと。

こうしたポポロクロイス城に来てからの数々の苦労も、ピエトロと協力し合いながら、ピエトロが困っている時にはナルシアが手助けをし、2人で手に手を取り合ってともに王と王妃としての道のりを歩んできたのでしょう。