2020年2月24日
ポポロのキャラを特徴づけるものと言えば「目」でしょうか。円を3分割したその目は、時には円グラフと言われる場合もあったりしますが、この描き方はどの段階から始まったのだろう?とふと思ったので調べてみました。
一番左のナルシアは、田森先生の漫画を劇場アニメーション化するという企画のため、福島敦子さんが描かれたイメージボードです。この時点で既にクリっとした丸目になっていますが、現在のように3分割されたものではなく、目の中に扇形で光が入っているような感じです。真ん中は当時はまだスーパーファミコン版として作られていたであろうポポロの設定資料ですが、全般的に目はこのように2分割した描かれ方をしています。3枚目はプレステでゲーム化するにあたり、メディアミックスの先駆け的に作られたパイロットフィルムで、このフィルム用の設定画の日付は1993年9月なので、おそらくはここで現在のスタイルが確立したものと思われます。ポポロ1で福島さんが描かれてないイラストだと、2分割した上の半円の一部に扇形が入るというもので微妙に違うところもあります。その後、1995年9月から描かれたゲーム用の一連のイメージボードでは3分割式となっているので、この頃にはもう定着していたのでしょう。
余談ですが、アートブックのインタビューの中で、福島敦子さんが、「パイロットフィルムの話から、また少し間があって今度はゲーム用のイメージボードの依頼がありました。しかし、その時にはずいぶん事情が変わったとかで、パイロット以前に企画されていたゲーム内容ではありませんでした。シナリオも別のものに変わっており、以前作ったキャラもすでに他のデザイナーによってリニューアルされていた」と語られています。1993年から1995年の2年の間に何があったのか、把握できていないミッシングリンクが存在しています。
他の目の描き方として、パイロットフィルム(上段)、ポポロ1のイメージボード(下段左、アートブックより抜粋)、ポポロ2の設定資料(下段右)のように、大きく丸い目に黒い点という、ビックリした時にはこういう表情をすることもあるようですね。サンプルとしてなぜかピエトロばかりではありますが(笑)