2001年1月26日
1998年10月4日から1999年3月28日まで、テレビ東京系で放映されていたポポロクロイス物語のアニメですが、ゲームとの兼ね合いにおいて、賛否両論いろいろとあるようです。ゲームとアニメの差異、そしてそれをどうとらえるかを考えてみます。
1.アニメの時代設定
アニメが放映されたのは、プレイステーションのポポロ1・ポポローグが発売された後(放映開始はポポローグの前)ですが、時代の設定としては氷の魔王との戦いの後で、ピエトロは10歳になっています。
2.アニメの舞台
これはゲームと同様、ポポロクロイスを中心とした世界でポポロ2のロマーナや日の国のような他の国が登場することはありません。
3.登場人物
ゲームでおなじみのキャラクターに加え、アニメオリジナルである風族のヒュウ、ストン、サンダが登場。
と基本的な部分はこのようになります。それではアニメに対する反対意見の紹介とそれに対する私の考えを。
・ゲームに風族は登場しない。だからゲームとアニメは別物と考えるしかない。
原作者の田森先生の言葉を借りると、「4種族(人族、竜族、神族、妖精族)はあくまでも基本的な種族であって、時の流れの中で別の存在や別の種族として発展したものもあるかもしれない」(※)ということなので、決して風族が存在しないということではないと思います。逆にこの言葉は何かをほのめかしているような気がしなくもありません。
※ ファミ通「ポポロクロイス物語2」公式ガイドブックより
・キャラクターの性格がゲームと違う。
ピエトロが幼すぎ、脳天気すぎとか、ナルシアが活発過ぎるとか、ガミガミ魔王最高ぉー!とか言われていて、多少の違和感は人によっては感じることがあるかもしれませんが、そんなに目くじら立てるほどの違いって全然ないと思います(ただ第11話の冒頭でのピエトロの行動は少しキツイものがありますが)。逆にそれぞれのキャラクターの魅力を引き出している位です。白騎士しかり、ガミガミ魔王しかり。
・ゲームの内容とアニメの内容であわない部分がある。
アニメでは氷の魔王はいなかったことになっている、と以前に雑誌で書いてあるのを読んだことがありますが、いざ見てみるとピエトロはカイの正体や自分に竜の力があることも知っています。そしてサニアも竜族として登場しているので逆に氷の魔王との戦いがないと考えるほうが不自然な位です。そしてビデオやDVDの冒頭ではポポロ1のお話をもとにして、各キャラクターの紹介がされているくらいなので、ポポロ1とアニメがつながっていたところで不自然な点はありません。
ポポロ1では襲撃してきたガミガミ魔王に対しなすすべもなくやられてしまっているパウロ国王が、「知恵くらべ」でガミガミ魔王と知恵の王冠をかけて正面から堂々と争っているのはなぜ?と言う人もいますが、1回目の襲撃でガミガミ魔王がどういう人物であるかを知ってしまっているので2回目は臆することなく対峙した、と考えればいいのではないでしょうか?
つじつまあわせだと言われればそれまでですが、解釈の仕方はいろいろと考えることはできると思います。
・城の形や城下町等が違う。
おそらくこれはポポロクロイスという1つの世界を表現するにあたり、プレステでできる表現の仕方とアニメでの表現の仕方が異なるだけで、そのものが変わっているわけではないのでしょう。例えるなら地球を表現するのにメルカトル図法の地図があったり、グーデ図法の地図があったりするように。おそらくポポロ3でも3D化により、こうした違いが出てくると思いますけど、それも同様のことだと思います。
アニメのポポロクロイス物語はゲームと同様に本当に素敵な作品です。ポポロクロイスの世界ををより一層深く、豊かにしてくれる作品です。だからこそゲームとは別だと考えるのではなく、同じ時間の流れの中のピエトロ達の物語であると思わずにはいられません。まずは余分なことを考えずに肩肘の力を抜いて純粋に話を楽しんでみるとよいのではないでしょうか?