2002年7月19日
1978年、79年に描かれた一番初めのポポロクロイス物語3作品、「竜が行く!」「フローネルの魔女」「ザ・スターマン」。お馴染みの名前や地名が登場するものの、内容的には現在のポポロとは全く別のお話です(プロトタイプと呼ばれているのはこのためでしょう)。 ただ内容的には別といっても、根底には通じるものがあるんですよね。
善と悪とは相対的なものでどちらが良い悪いというのは簡単に決められるものではなく、ポポロ2のガイドブック中のインタビュー記事で、田森先生はこうおっしゃっています。
「ポポロクロイス物語では、一貫して正義という言葉を使っていないんです。はっきりとした正義ってのは決められないんですよ」
今から20年以上も前に書かれたポポロ3作品の中に、この考え方を見出すことができます。
『丘の上の花畑で日向ぼっこをしたかっただけの竜』(「竜が行く!」)
『純粋に人間の王子に想いを寄せる魔女』(「フローネルの魔女」)
『世界の常識とはまるで異なるの宇宙の真実を語る宇宙人スターマン』(「ザ・スターマン」)
いずれも人間側から、「邪悪なもの、もしくは受け容れられないもの」ということで拒絶され、人間側の世界から追い出されてしまうという悲しいお話です。 人間にとっての正義も、立場を変えれば一方的で自己中心的なものでしかない、という相対的な視点がまさに描かれていて、この辺にポポロクロイス物語における「光と闇との関係」の原点があるのではないかなぁと考えています。
闇の意志を持つ光の眷族が中にはいるように、闇の眷族の中にも光の意志を持つ者がいたとしたら・・・それ故に光と闇とは簡単に分けることができないものなのかもしれません。