169 陸と海

2004年7月4日

 「陸と海とが分かれたように、光と闇は交わることはない」ファントネシアでの水の精霊さんの言葉です。この言葉の意味するところは非常に意味深で、ポポまり発売の当時には、陸と海との分断はそれほどまでに決定的なものなのかと思ったものですが、今回の月の掟の冒険を通じてまた別の方向が見えてきたので、掘り下げていくことといたしましょう。
ここで言うところの「陸と海」というのは、地形的に分かれたものではなく妖精族のことを指しているものと思われますが、とすると森の妖精族と海の妖精族との分断は光と闇との関係のように交わるものではなく、かつ「もっとも近く、もっとも遠い存在」である、ということになります。しかし妖精族を2つに分けているのは「月の掟」です。この掟は未来永劫破れないものではなく、1000年に1度は解けるものであり、さらには全ての種族が真の意味で力を合わせれば掟そのものを無くすことも決して不可能ではありません。すなわち陸と海とは永久に分かれたままではなくいつかは1つにまとまることができるわけです。冒頭の言葉が示すように、陸と海との関係=光と闇との関係、であることを考えると陸と海とが交わりを取り戻すことができるのであれば、光と闇もまた交わることができる可能性があるのではないかと思うんですよね。
光が照らすところに影、すなわち闇ができるわけですから光と闇とは一対の関係、言いかえれば双子の存在にあたります(故に光の意思には「デュオン」、デュオ=duo、即ち「双子」なる意の名前が付けられているとか)。この点において「もっとも近い存在」と言われる所以なのでしょう。そしてもっとも遠い存在であることについては言うまでもありません。闇を倒すことはできないものの祓うことはできるのですが、本当に闇の脅威を世界から無くすためには闇の意思カオスそのものを倒す必要があります。しかし光と闇とが一対の関係にある以上闇の意思を倒すだけでは事は終わりません。光の意思あるからこそ闇の意思もまた存在するのですから、闇の意思を倒すと同時に世界の創造主である光の意思すらも倒す必要があり、そこで初めて闇の意思を完全に消し去ることができるのではないかと考えます。ただ「意思」という形のないものなので、倒すといっても倒しようのないのもまた事実ではあるのですが・・・。
やはり、闇よりもそして光の意思よりも強い意思を、強い心を持つこと、これが世界を平和に導く何よりも大切なものなのかもしれません。