2004年12月19日
世界を自分達だけのものとして取り返そうとした妖精王、自らの発展のみを考えバルバランを呼び起こした人間族、いずれも世界を滅亡の危機にさらすことになってしまったわけですが、人間族の場合、サニアの言動や老竜神がパウロのもとに嫁ぐサニアを勘当したことから、世界におけるその罪深さをうかがい知ることができます。ところが妖精族の場合となると、その存在があまり一般的なものではないことにも一因があるとは思いますが、他の種族から忌み嫌われているような様子は見受けられません。3000年頃前に起きたバルバランとの戦いよりもずっと昔の出来事として、既に記憶の片隅に埋没してしまっているのでしょうか?とこんな疑問を持つきっかけになったのが、ポポロ2におけるガープのとある言葉なんですよね。ナルシアに化けてその母である妖精王メディアの懐に入り込んだガープは、メディアにとどめを刺そうとする際、忌々しそうにこう叫びます。「くたばっちまいな、この妖精族め!」と。
この言葉には妖精族に対する相当激しい憎悪を感じずにはいられないわけですが、単にメディアが守っている石版を奪うのが目的であったならば、とてもこれほどまでの憎悪を抱くとは思えません。そこでこの言葉の背景には、先ほど挙げた妖精族の過ちがあるのではないか、と考えるようになった次第です。
ガープはもともと美の女神マイラに仕える神官でしたから、地上に暮らす者よりは世界の歴史を、世界の姿をよく見渡せていたのかもしれません。心酔するマイラのために存在する世界に、かつてそのような大罪を犯した妖精族が存在することが許せなかったのかもしれません。ガープの妖精族に対する憎悪と妖精族の過ち過去は決して無関係ではないような気がします。
妖精王メディアがナルシアをギルダのところに預けなければならなかった理由はその父親にある、と言われていますが、単に父親だけのことではなく、父親に関して過去の大罪と深く関わるような何かがあってのことだとも思えます。妖精族の過ちは決して記憶の片隅に埋もれてしまったのではなく、思わぬところでまだどこかでくすぶり続けているのかもしれません。