204 風の力

2005年12月11日

 ポポロクロイスの世界においてそれぞれの精霊がその役割を担っている風の力、火の力、水の力。その恩恵を受けて人々は毎日の暮らしを営んでいます。今回のテーマは「風の力」を切り口に、このポポロ広場で以前にも扱っている風の精霊と風族について、考えを進めてみることにいたします。
ピノンを助けようとして逆にどこかに吹き飛ばしてしまった風の精霊(ヒラリン)、ナルシアとともに竜の力を秘めたアネモリトスを飲み込んでモンスター化した動物と戦った風族の娘ヒュウ、ともに「風の力」を使っているわけですが、一見同じようなものに見えるかもしれませんが、2人の使う力は本質的に異なるものだと言えましょう。その理由はファーストアニメ第9話「ふたりの少女」におけるヒュウの言葉に見出すことができます。その言葉とは、「ここでは風が呼べない」、です。
つまりヒュウの使う風の力とは自分自身で起こせるものではなく、世界に吹く風を利用して発動させるものなわけです。一方風の精霊は、風の聖域でピノン達に「世界に風を巡らすことができる」と話していたように、精霊自身が風を起こしています。自らが起こす「風の力」と風を利用した「風の力」、これが風の精霊と風族との大きな違いとなるわけです。私達の生活で当てはめるなら発電所と電気製品の関係と言えましょう(あまり適切な例ではありませんが)。
この点においても風の精霊と風族とは相異なるものであると言えるわけですが、と同時に密接があるとも言えるわけで、これはこれで「160 そもそも風族とは?」で挙げた内容と反してしまうところもあって、これは困った!という状況に陥ってしまうわけですが、なかなか結論が出せない難しいテーマであるからこそ考察のし甲斐があります。答えが欲しいと思うところですが、答えのないのもまた無限の想像力を刺激してくれるので、謎は謎のままであった方がよいのかもしれませんね。