2012年9月8日
原作者の田森庸介先生のウェブサイトで限定公開された小説、「ポポロクロニクル」。読み始めた直後は、いつの時代のお話なのか、そもそもムルカって誰?という状態なので、頭の上にはみっしりと?マークを思い浮かべることとなるわけですが、読み進めていくうちに、今度は!マークを思いっきり浮かべることになります。かつてポポロの世界には、このようなことが起きていたのか、あのキャラのその部分には実はこういういきさつがあったのか!ととにかくもう驚きの連続で、さらにはポポロ1で登場する城下町の2階の部屋の重い装備にはそんな理由が?!などなどとにかく非常に細かいいきさつも出てくるのでファンとしてはたまらないものがあります。期間限定での公開というのが非常にもったいなく、できることなら書籍という形で世に出て残ることを願ってやみません。その内容に触れるべく、ここからネタバレの内容を含めながら想像を膨らませていくことといたしましょう!
今回の物語で深く知ることができたのは何と言っても白騎士のこと。鎧に星のマークを抱いているのはなぜか、キングナイトの剣を探している理由、そもそもなんで高所恐怖症なんだろうか?などなど、さらには自分の息子にマルコと名付けた理由や今後のレオナとの邂逅を示唆する部分があったりとそれはもう目からウロコが落ちることこの上なし!な内容が描かれています。そしてそもそもなぜ“白”騎士になったのかを伺い知ることもできるんですよね。小説を読まれた方にはご存知のとおり、人間でありながらも闇に堕ち、その後にはじまりの冒険でピノン達が対峙することとなる○○○が“黒騎士”として暗躍します。幼少時代の白騎士の大切な仲間であった森の番人を手をかけ、神ですら手を焼くほどの力の持ち主であるキングナイトを利用すべく謀略を重ねるなど、世界を救おうとする白騎士達の前に強大な敵として立ち塞がります。まさにまだ白騎士となる前の幼き彼にとっては悪の象徴とでも言うべき存在と言えましょう。だから、あの戦いを経てキングナイトを探すという使命を負って騎士道を進む道を選んだ時、黒騎士とは対極の存在となることを決めて“白騎士”となったのではないでしょうか?さながら光の意思デュオンと闇の意思カオスの如くに。胸に北極星を抱くあの鎧にはそうした強い想いや決意が込められているのではないかと思うわけです。
さらに想像を深めてみますが、白騎士の鎧の星の色はポポロ1の頃は赤色ですが、ポポロ2では青色に変わっています。白騎士は虹の騎士団の末裔ですから、様々な色を示す“虹”のように、時に騎士としての地位や姿勢を示して色が変わるのではと考えることができます。具体的にどの色だったらどういう状況なのかを推測するには至りませんが、虹の色には黒が存在しませんから、もし白騎士が闇の意思に囚われてしまった時にはあの星も黒くなってしまいそうな気がします。幼き白騎士は、闇に染まった者の最期を目の当たりにしていますから、ポポロ2でピエトロが「こんな世界知るもんか!」と闇に堕ちそうになった時に殴って全身全霊で阻止しようとしたのはそのためかもしれませんね。
ポポロ2で古の勇者のリーダーの生まれ変わりであるガボが白騎士と出会ったのも決して偶然ではないのでしょう。一歩間違えれば世界の脅威となりかねないキングナイトを探す白騎士の旅。かつて正しい選択をしてその危機を乗り越えましたが、ガボはそのキングナイトを総べる存在ですから、白騎士の旅の行き着く先を見届けるべく行動をともにするようになったのも動き出した運命の歯車の1つだと思います。大地の力を有する白騎士とガボが出会うこととなったのはまさに大地の竜の巣であったわけですし。
今回の小説は白騎士のほかに、あのガミガミ魔王も大活躍する上にそのルーツが示されます。博物館に展示されているガミガミ魔王が乗ってきた“ゆりかご”がいつ、どこから来たものなのか想像するだけで非常にワクワクしますが、かつて2005年にこのポポロ広場で考察した「ガミガミ魔王のルーツ」について掘り下げてみたいところです。このほかにも、過去に人間であった○○○がポポロクロイス王国であのような最期を迎えたからこそ、はじまりの冒険で竜の剣を使って封印を図る必要があったのではないか、などなど考えてみたいことはまだまだあります。
今回様々なことが明らかになるとともに新たな謎も出てきました。「ポポロクロニクル」は第一部ということでさらに続く可能性もあるとのことですから大いに楽しみにしようと思います。