You dont have javascript enabled! Please enable it! 279 気持ちはわかる - ポポロクロイス探偵局

279 気持ちはわかる

人の本性というのは、ふとした言動に現れることが多々あります。表面的には優しくても実はキツイ性格だとか、善人っぽいけど根は悪人でしたとか。もちろんその逆も然りで、口は悪いけど相手のことを心底思いやっていたり、悪人ぶっているけど本当は根が優しい場合もあったりします。ポポロの中で後者の例と言えば間違いなくギルダやガミガミ魔王ですね。

じゃあ、ポポロの世界で前者の例って誰なんだろう?と考えてみた時、どうしても思い浮かんでしまう人物がいるんですよね・・・ナルシア。ということで、今回はナルシアのそんな一面をクローズアップしようと思います。

結構ナルシアは直情的なんだろうなと思うのがコチラ。

カナリシアでピエトロが大砲で打ち出される瞬間に妨害したガミガミ魔王に容赦なくすね蹴りの一撃を加えます。森の魔女なんだから魔法を食らわすのが筋なんでしょうけど、怒りのあまりに身体的攻撃に及んでます。ガミガミ魔王もこの時は身体的な痛みを叫んでいますが、後ほど大好きなナルシアに蹴り上げられたという精神的な痛みに苦しんだであろうことは想像に難くありません。

彼女のそんな手厳しさは、こうした行動ではなく言葉の端々にも表れています。続いてこの場面。

苦労して手に入れたブリオニアのサブエンジンに乗り、ラダック仙人に会うべく剣の山を目指すピエトロ一行。ようやく目的地が見えたところでもはやフラグでしかないガミガミ魔王のこのセリフの後に何が起きたかは言うまでもないでしょう。

砂浜に墜落したのが幸いでしたが、黄金の鍵で変身するいとまもなく海に墜落しようものならナルシアは大変なことになっていました。

ハタハタ村の人に運び込まれた宿で目を覚ましたところで白騎士は激怒します。村の住人が、「空から落ちても死なないんだナ!」と驚くほどの墜落の衝撃で、墜落の原因が「もうちょっと調べた方がいいんじゃ・・・」というナルシアのアドバイスを無視して勘に従った結果とあってはそんな怒りはごもっとも。

なお、ポポロ1では怒った時、白騎士はガミガミ魔王をよく「ガミガミ」呼びしています。そんな時にはガミガミ魔王も「ヨロイ野郎」などと応戦していますが。

白騎士の怒りは収まらず、この後も「この責任、どう取るでござる?」と詰め寄ります。そして、子供の前で大げんかに発展しそうなこんな状況にナルシアが間に入ります。

「気持ちはわかる」

仲裁しながらも出てきているのがこのセリフで、さりげなく白騎士の怒りに同調しているんですよね。

白騎士の怒りをなだめるためにその気持ちに寄り添っていると言えなくもありませんが、「気持ちはわかる」と言うからには、下手をすれば墜落した時に海に投げ出される可能性があったことからすると、ガミガミ魔王に対するナルシアの怒りも相当あったのではないでしょうか。

そんな気持ちがこの一言に溢れ出てしまったとしたら、ナルシアは決してガミガミ魔王がイメージしているような清楚可憐な大人しい女の子ではなく、意外と性格的に厳しい一面を有しているのではないかなぁとそんなことを思わずにはいられません。思えばポポロ2の公式サイトでナルシアは、

(旧バージョン)
内気でもの静かな性格。本当は思った事をなかなか口に出せないのだが、結構思い切った事をする。森の中に閉じ込められて生活をしていたので、妖精本来の自由奔放な性格が封印されてしまった。その性格はカイの姿になった時、解放される。

(新バージョン)
内気でもの静かな性格。思った事をなかなか口に出せないのだが、いざというときは結構思い切った事をする。黄金の鍵を使ってカイに変身した時は、正反対の自由奔放な性格となる。

と紹介されていましたが、旧バージョンでの説明のとおり、元々はこうした「妖精本来の自由奔放な性格」を有していて、カイに変身した時だけに表れるのではなく、普段から漏れ出ていることもあって、そんな一端が上記のような言動になっているのでは?と考えるところです。

なお、紹介内容が変わった理由は定かではありませんが、いずれにしてもそんな性格もナルシアの魅力の一つなのでしょう。もっともポポロ2ではそうしたカイの自由奔放な物言いでオジサン呼ばわりされたガミガミ魔王がしみじみと「やっぱりナルシアちゃんの方がいい」とぼやいているあたり、女性に夢を見がちなオジサン世代の心境が可笑しくもあり哀しくもあり。

「ナル笛」では19歳になったナルシアが、結構ピエトロへの当たりが厳しくなっていると賛否両論ありましたが、妖精族だからと何かに遠慮することなく自分の気持ちを素直に出せるというのは、本来の自由奔放な性格の表れだとすれば良いことだと思います。ナル笛も掘り下げたい要素がイロイロあるものの、簡単に資料を引っ張り出せないのが悩みどころです。

30周年記念に寄せて

折しもこれを書いている2026年7月12日は、この初代ゲーム版ポポロクロイス物語の30周年。初めてポポロを手にしてからそれほどの年月が流れていながら、こうしてファンサイトで記事を更新しているあたり、自分は本当にポポロのことが大好きで仕方ないんだなぁと改めて認識しています。

初代ポポロが発売された1996年当時といえば、プレイステーションオリジナルのRPGはそれほど多く発売されておらず、自分がプレイステーション用ソフトで購入したRPGと言えば「キングス・フィールド」(1994年12月、相当難儀しながらクリア)と「ビヨンド・ザ・ビヨンド」(1995年11月、途中で挫折)くらいでしょうか。なにかこう、ファンタジー的なRPGが出ないかなぁと思っていたところ、ゲーム雑誌で目に入ったのがこの「ポポロクロイス物語」だったんですね。

独特のキャラクターに世界観、アニメチック・ロマンチック・RPGというキャッチコピーに惹かれて徐々に興味が湧いていき、発売日当日にワクワクしながら、当時住んでいた長久手の「おもちゃのBANBAN」まで買いに行ったのを今でも覚えています。いつの間にかゲームソフトを扱う町中のおもちゃ屋さんが姿を消してしまったのが残念です。

仕事から帰ってきてプレイし、時には睡眠時間を削り、眠い中で夜中に白い村がある雪原で迷いに迷ったりしながらピエトロ達の冒険を進め、エンディングを迎えて流れる「ピエトロの旅立ち」を初めて聴いた時、これまでそんな風に歌が流れる作品にふれたことがなかったので当時の衝撃たるや凄いもので、その分、ポポロという作品が心に強く刷り込まれる結果となったのかもしれません。

30年前に「ポポロクロイス物語」に出会わなければ、このような記事を自分のサイトで書くようなことはなかったですし、ポポロを通じて広がった縁やオフ会などのいろんな出会いや出来事もなく、今とは全く違う人生を歩んでいたかもしれないことを思うと、本当にポポロと出会えたことに感謝しなくてはなりません。

そんな30周年という節目を田森先生に立ち会ってほしかった、感謝の気持ちを改めて田森先生にお伝えしたかった、なんだか悔やんでも悔やみきれない、やりきれない気持ちが溢れて仕方ありませんが、だからこそ感謝の気持ちを胸に、これからもポポロの世界を愛し続けて追い続けていかなければとの思いを強くしています。

田森庸介先生に感謝を。